1952年、スウェーデン、ルンド大学の小さな研究室において、ペル・イングヴァールブローネマルク(Prof. Per-Ingvar Branemark)教授は、科学者によっては、期待しないで偶然に良いことを発見する最蝋ととるかも知れない、幸運な出来事に遭遇しました。
ブローネマルク教授は研究に用いていたチタン製生体顕微鏡用チャンバーを骨から除去しようと試みましたが不可能でした。このことが彼に大きな影響を及ぼしました。チタンは生活している骨にしっかりと結合していましたが、これは当時の科学的理論に反するものでした。好奇心をかきたてられたブローネマルク教授は、引きつづき研究を進め、注意深いコントロールの下では、チタンは生活骨組織ときわめて高い予測可能性を秘めて一体化を示すと同時に、長期間にわたり軟組織の炎症あるいはインプラント体に対する拒否反応などがみられないことを発見し、この現象をオッセオインテグレーション(Osseointegration)と名づけました。
歯科インプラントのオッセオインテグレーションの最初の臨床応用は、1965年に無歯顎症例へのチタン製人工歯根の適応に始まります。40年以上経過した今日でも、これらのインプラント歯根に装着された補綴物は完璧に機能を果たしています。40年以上におよぶ経験に基づいた緻密な研究により、今日、世界各国で高い成功率を収めているブローネマルク・インプラントシステムの外科的術式と器具類が確立されてきました。
インプラントはチタン製歯根に装着された、この審美的に満足でき、機能的に優れた斬新な補綴物により、患者は自分の歯をふたたびとりもどすことができたと感じるようになります。世界中の数多くの歯科患者は、自分の残存歯を利用した補綴歯の歯根ルーツをブローネマルク・インプラントシステムすなわちスウェーデンのノーベルファルマ社へ辿ることができます。 |